ずっと好きだった。

シュートが入れば、ベンチも盛り上がる。

一本一本入るごとに、立ち上がって。

ピッ!

「青!5番」

青…あたしたちのチーム。

五十嵐のファウルだ。

相手チームにフリースロー一本。

相手はあっさり決める。

ぴーー。

「タイムアウト!青!」

監督…?

選手たちはベンチに戻ってくる。

いつになく、息をきらしてる。


「緊張して、息できてないぞ!お前ら!はははっ。」

監督が笑いながら言った。

緊張…してたんだ。

あたしってば気づかなかった。


「ボールを運ぶのを、架端に変える」

「え?俺っすか?」

翔馬は少し驚いた顔をした。
< 205 / 237 >

この作品をシェア

pagetop