ずっと好きだった。



女の手には、なんか手紙があった。


「なに?これ?」

「友人が翔馬くんの事好きで。渡して欲しいって…」

…はぁ。またか。


これで、三度目くらいか。


「ふぅーん。でもー。ごめんね。受け取れないや」

女は、困ったような顔でこちらを見てくる。



「君の友人の顔も知らないし、渡すなら自分で渡してって、友人に言ってあげて。

じゃ、俺はこれで」

女は手紙を抱えたまま、その場に立ち尽くしてた。



ちょっと、ひどかったかな。まぁ。許して。



「翔馬ー!」

今度は誰だよ。朝から俺は人気者だな。


「あ。湊さん。おはようございます」


「ああ。道隆さんでいいって。苗字慣れてねーからさ」

「あ。わかりました!」



「おう!朝から翔馬の事見つけてラッキー!」
< 66 / 237 >

この作品をシェア

pagetop