ずっと好きだった。
「なんだよ」

「なんでもない。」

これは。怒ってるな。

「何怒ってんだ?」

「試合前日なのに、ありえないから。腕とか痛くなったらどうするの?

大事な試合なんだよ?ベストな状態でやろうって思わないの?

心配だよ…あたしは」

俺のからだを心配してたのか。

可愛いやつだな。こいつは。

「ありがとな。俺は大丈夫だから。」

「なら、いいけど」

俺はまたシュートを打ち始める。

佐伯さんが来た。

「お前、みちるをあんま心配させんなよ。

あいつが可哀想だろ」

耳元でそう言われる。

それだけ言うとまたシュートを打ち始めた。

佐伯さんは、なんだかんだいって一番平瀬を心配してる。

平瀬のこと好きなのかな…。

ガコンッ

今まで入っていたシュートが入らなくなった。

何本打っても、入らなくなった。

「心の乱れはフォームに現れるんだぞー」

道隆さん。
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