光の少女Ⅱ【救出編】

第5章 最悪の事態

1

「ピィ、ピイィ」

「可愛いね!この飛竜!花音ちゃんにも凄くなついているみたいだし」


街の中を散策していた時、風華が花音の肩に止まり、顔を擦りつけている白亜を見て言う。


「うん、まさかこんなになついてくれるとは思わなかったよ」


そんなことを返し、花音は風華と歩いていく。


(でも、よかった、またこうやって話せて・・・)


話しながら、風の国で過ごしていた日々を思い出し、ふと自分の手首を見て花音は声を上げた。


「あっ!」

「どうしたの?」

「これ、返さないとね」


言いながら、手首につけたままだったブレスレットを外して、風華に差し出す。


「はい。これ、ありがとう」

「うん」


ブレスレットを受けとった風華が笑った時、ふと街の入口の方が騒がしくなった気がした。


「どうしたんだろ?行ってみようか」


風華に声を掛けて、花音は入口の方へ足を向ける。

街の入口が見える位置まで来ると、そこには光の街の中へ入ってくる火焔達がいた。


「どうして、あの三人が?」

「花音ちゃん、どうするの?」

「・・・とりあえず、光輝に知らせてきて」


風華にそれだけ言うと、花音は再び走り出した。
< 106 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop