光の少女Ⅱ【救出編】

第4章 新たな出会い

1

「大丈夫ですか!?」


囲まれている少女に駆け寄っていくと、花音はその少女と背中合わせになるように立つ。


「お前達は?」

「話は後だ!まずは、こいつらをどうにかするぞ!」


追いついてきた風夜が剣を抜き、襲ってきた一匹を斬りつける。


「・・・そうだな。此処であったのも、何かの縁だ。協力してもらうぞ」

「うん!」


少女の言葉に花音は頷くと、掌に光球を宿した。


「こいつら、一体何なんだ?」


回りに倒れている翼の生えたもの達を見て、風夜が剣をおさめながら呟く。


「こいつらは、窮姫の手下だ。私が目覚めたのを感じ取り、早速送り込んできた」


その言葉に少し疑問を感じた花音が聞き返す前に、少女が急に座り込む。


「えっ・・・、ちょっ・・・」

「すまない。久し振りで少し力を使い・・・すぎ・・・」


少女の言葉が途切れ、慌てて顔を覗きこむ。


「・・・寝てる・・・」

「・・・はっ・・・?」


少女の顔を見て呟いた花音に、風夜が声を上げた。


「スゥスゥ・・・」

「・・・ね?」

「はぁ・・・」


彼にも少女の顔が見えるようにすると、寝息が聞こえてきて、風夜が溜め息をつく。


「仕方ないな・・・」


呟いて、眠っている少女を抱き上げる。


「私、先に戻って、皆に話しておくね。あと、その人が休めるように準備しておくよ」

「ああ。頼む」

「うん」


花音は頷くと、街へと走り出した。
< 64 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop