あの頃のキミは

桜並木を通りすぎたところで、皆と別れる。

ひとまず丸く収まってよかった。

「じゃあ、また明日ねー…」



ん?

横を見るとにこやかにしている凪くん。

なんか凪くんが隣で一緒に手を振ってるんだけど…

「あ、あの…凪くん?」

「何?俺もこのマンションに住んでるんだけど」
そう言って私の住んでいるマンションを指差す。

「えぇ?!」

ま、まさか同じマンションだったとは…
嫌でも一緒に帰ることになるって
こういう事だったんだ‼︎

「しかもすぐ上の階」

「な…なんでうちの階知ってるの…」
顔を引き攣らせながら問うと、彼はまたニッコリと笑った。

絵麻気を付けてねっ!ってぎゃんぎゃんと騒ぐつぐみを引きずるように冬夜くんが連れていった。


「…まぁ、うちに来ればわかるよ」

そう言って押したエレベーターの階は8階。うちの上の階だ。


凪くんの家に…行くの?!

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