桃の天然水‐桃天!‐
 
「ほんっと、もう、なんといったらいいのか…申し訳ありませんですハイ。重かったでしょう、先輩。本当に恐縮です」
「いやいや…そこまで自分を卑下しなくても」
「鬚?」
「いや、鬚じゃなくて…なんでもないよ…」


5時半とは言っても10月の終わり。
外はもうすっかり暗くなっていて、寒そう。


「今日はもう帰ろう。いいんだ、俺1ヶ月の間にってことで任されてるからさ。今日はありがとうね」
「そんな…あたしは何もしてないんです。ダメなんですよ、役立たずなんですよ」
「あはは、気にしないで」


あああ…
なんて優しいの隆司様。
憧れちゃうよ、その笑顔。


「…あの!!もしよかったら明日も手伝いましょうか!!あたし、暇なんで!!」


ドラマなんかより、リアル隆司様の方が希少価値も高いので!!


「そんな、悪いよ」
「悪くないです!!こき使っていいですよ、あたし、いっつもお姉ちゃんにこき使われてて、慣れてますから!!」
「こきつか…それはそれで大変そうだね…」



憂いのある表情も素敵です!!



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