イチコイ日誌~苺色の恋記録~
 
「とつげーき!」


「ぐほぅっ!?」



 がいつものパターンだけど、


 今日は、いくらかマシだったみたい。



「一緒に帰ろっ♪」


「じゃあ手を離すことから始めよう」


「何故に!?」


「手汗すごいんで」


「俺気にしないよ!」


「アンタの手汗だよ!」


「うわぁ!」



 ハンカチでゴシゴシしてるそばから、


 今度はリンゴになった弟の、汗の香り。


 爽やかな、せっけんの芳香。



 こんだけオープンにやらかしといて、


 変なとこで、純情なんですから。



 まぁ……散々回り道した到着点がここなら、


 結果オーライなんですかね?
 
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