イチコイ日誌~苺色の恋記録~
 
(……これはマズイ)



 順調だ。順調にドSレベルを上げてきている。


 朝のあいさつのごとくほっぺにチューとか、帰国子女か!


 あ、帰国子女だって言ってたな。しかもハーフ。


 いやでもロシアでしょ? ロシアもアメリカみたいに「Hi! chu♪」……みたいなノリなの!?



「クス……それじゃあ先輩、また後で」



 ……何にせよ、おそらくまだ純粋であろう(と思いたい)少年に、これ以上罪を重ねさせてはいけない。



 ハグやらキスは! 好きな子と! ここじゃないどこかで存分にやってくれ!



 悠々と廊下の向こうへ消える背中を睨みつけながら、数年に一度の闘志をたぎらせる私であった。
 
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