鏡怪潜〜キョウカイセン〜
久し振りに京介と二人で登校した。


いつもは他の生徒が多くいて、二人だけでって事はないから新鮮だった。


学校に到着して生徒玄関。


いつもならざわついているこの場所も、今日は水を打ったような静けさ。


全校生徒の何割の生徒が来ているのだろうか。


「……なんか気味が悪いよな。この時間に静かな生徒玄関なんてよ」


「まあ、立て続けに生徒が死んだんだから仕方ないよね。今なんて私達しかいないしさ」


この静けさ……影宮さんは、今日は大変な事になるって言ってたけど、何かが起こりそうな気配はないんだよな。


そもそもの生徒数が少ないと思うし、影宮さんは何を心配していたんだろう。


靴を履き替えて、昨日いた自習室に向かう。


とりあえず荷物を置いて、皆が来るのを待とうと。


自習室に近い階段は、踊り場に鏡がある。


何もわかっていなかった昨日は、鏡に映ったら殺されると思って避けたけど、今日は……大丈夫かな。


それでも、階段に差し掛かると心臓がドクンと音を立てる。


踊り場にある鏡が怖くて……俯いた。















「ほら、行くぞ」















そんな私の手を取り、京介が引っ張って階段を上り始めた。
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