銀猫ー最強歌姫の再来ー
「ごめんなさい…。」

「…え?」

 奏雨は謝り、そして彼女の記憶の一部を無くす為、殴った。

 本当はこんな事はしたくないのだが、記憶を無くすには、今の奏雨にはこれしかできなかった。

 奏雨は、彼女の乱れた着衣を丁寧に戻して、その場を去った。

 何となく、辺りが暗くなった気がして、空を見上げてみると、雨雲が空を覆っていた。

 そして、すぐに雨がふってきた。

 奏雨は、雨宿りをするために、急いで近くの書店へと入っていった。

 書店の中の時刻を見ると、もうすぐ12時になるようだ。

 皆がいる、あの建物へ戻りたいが、お金も傘もない今、どうすることも出来ない。

< 39 / 101 >

この作品をシェア

pagetop