私の身体と心
「あなたに私という女は必要なの?」

それに対して彼はしばらく行為を中断せず、体位を変えた時私の顔を見つめた。

「必要に決まっているだろ。」

それだけ言った。

私はそれに満足し、結局そのまま関係は続いているわけだが…。

どうも話のあちらこちらに女の影をうかがわせる。

それがいつもの彼なのか、わざと私に見栄を張っているのかは分からない。

SNSもまだ続けているようで、その相手の話も私にしてくる。

「気に入っているなら、その人とも会ってみたらいいじゃない?」

いつも私の答えは決まっている。

だって私達はお互いを縛り合う関係ではないから。

だから最初のうちは会う度に、

「これが最後かも。」と思っていた。

正直こんなに関係が続くとは思っていなかった。

私に彼を留めておくような魅力がないのを、十分に分かっているからだ。
< 20 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop