卯月の恋
ご飯を食べ終えると、二人で並んで座って玲音はコーヒーを、私はホットココアを飲んだ。
玲音は相変わらずあんまり話さない。
「こんな時間にコーヒー飲んで大丈夫なんですか?」
ブラックで熱いコーヒーを飲んでいる玲音に聞いてみる。
「大丈夫って何が?」
玲音は不思議そうな顔をする。
「寝れますか?」
私が尋ねると、玲音は納得したようにあぁ、と呟いた。
「休みの日も寝ないから」
「寝ないって…どうしてですか?」
「寝ない、っていうか、いつも起きてる時間だから寝れない」
今日も玲音の顔色はあまり良くない。
夜起きて、昼に寝てるんだもん。
体にいいわけないよね。
玲音の端正な横顔を見つめていると、部屋のすみからだん、だんと音がした。
「なんの音?」
玲音が不思議そうな声を出す。
「キリコです」
玲音にそう答えて、私はキリコのケージに近づく。
ケージの入り口を開けると、キリコがぴょんと飛び出して、私のひざに乗った。
「うさぎは犬みたいに吠えたりしないかわりに、こうして足を踏み鳴らして抗議するんです」
「抗議?」
「たぶん、ヤキモチです」
きっと、私が玲音のことばっかり見てるからだ。
「うさぎもヤキモチ妬くんだ」
玲音はおかしそうにそう言って、キリコをのぞきこんだ。
玲音の茶色い頭がすぐ近くに来て、ふわっといい香りがした。
玲音は相変わらずあんまり話さない。
「こんな時間にコーヒー飲んで大丈夫なんですか?」
ブラックで熱いコーヒーを飲んでいる玲音に聞いてみる。
「大丈夫って何が?」
玲音は不思議そうな顔をする。
「寝れますか?」
私が尋ねると、玲音は納得したようにあぁ、と呟いた。
「休みの日も寝ないから」
「寝ないって…どうしてですか?」
「寝ない、っていうか、いつも起きてる時間だから寝れない」
今日も玲音の顔色はあまり良くない。
夜起きて、昼に寝てるんだもん。
体にいいわけないよね。
玲音の端正な横顔を見つめていると、部屋のすみからだん、だんと音がした。
「なんの音?」
玲音が不思議そうな声を出す。
「キリコです」
玲音にそう答えて、私はキリコのケージに近づく。
ケージの入り口を開けると、キリコがぴょんと飛び出して、私のひざに乗った。
「うさぎは犬みたいに吠えたりしないかわりに、こうして足を踏み鳴らして抗議するんです」
「抗議?」
「たぶん、ヤキモチです」
きっと、私が玲音のことばっかり見てるからだ。
「うさぎもヤキモチ妬くんだ」
玲音はおかしそうにそう言って、キリコをのぞきこんだ。
玲音の茶色い頭がすぐ近くに来て、ふわっといい香りがした。