君色に染まれ
初めまして

何分か門から歩いてやっと玄関にたどり着いた

「何て無駄に広いの」そう想っていると、玄関のドアが両側から開き

執事やメイド「お帰りなさいませ、功太様」

廊下の両側に並ぶ、執事やメイドであろう何十人の人達が、一斉にお辞儀をしながら言う

私が驚きの余り、呆然と立ち尽くしていると

また手をグイっとひっぱられ、無理矢理歩かせられた

堤「ただいま」

そう言った堤は、いつも学校で見せる、王子スマイルだった

執事の一人が私に気がつき、堤に話しかける

執事「功太様、そちらのお方は…」

堤「あぁ、僕のガールフレンドだよ」

満面の笑みで堤がこたえると、執事の顔が一瞬驚いた顔になったが、笑顔になり

執事「さようでございましたか、それは失礼いたしました。ようこそおこしになられました」

そう私に言って来た

私「いえっ…私は彼女…」

弁解をしようとした私の言葉をふさぐように

堤「ねぇ、この子にお風呂と着替えをお願い」

私「えっ…ちょっちょっと待って…」

メイド「はい、分かりました」

私の言葉を無視して、話しがどんどん進んで行く

メイド「ご案内致します。お嬢様こちらへどうぞ」

お嬢様なんて言われるもんだから、少し照れくさくなって、言いたい事を忘れてしまい、言われるがままにメイドについて行く

真っ白な2mは有りそうなドアを開けると、そこにはこれまた、無駄に広いお風呂とは呼べない位にデカイ、大理石で作って有るお風呂が、良い香りと湯気を出していた

メイド「今日はローズを浮かべてみました」

そう笑顔で言われ、思わずつられて私まで笑顔になってしまった

メイド「お身体をお流しします」

私「いえっ、結構です…自分で洗います」

驚いて強い口調で言う私に、メイドは少し微笑んで

メイド「分かりました。それではごゆっくりとおくつろぎ下さい」

私「はい」

なんて言葉を交わした後に、やっとわれに返った

「いやっ…何でお風呂?」

「私何でついて来ちゃたんだろう…」

「それにしても、無駄にデカイものだらけ…」

そんな事を考えてたけど、ローズのお風呂には興味が有ったから、少しならと入ってみた

私「うわぁー、良い香り。お肌もスベスベ。堤はこんなお風呂に毎日入ってるから、あんなに肌が綺麗なのねっ。それにしても彼女って、一体何を考えてるんだろう…まぁ、後でちゃんと断れば良いかな」

そんな事を考えているうちに、ついうとうとと眠ってしまった
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