アイツとあたしと浮気と彼氏
浮気してみる
週明け

授業終わりのチャイム。


『雫ちゃん。帰ろぉ。』


カバンを持った綾があたしのところに来て

言った。


『今日、先生めっちゃ機嫌わるかったねぇ。もう、すっごく空気悪かったし。雫ちゃん、もう少しで指されるとこだったじゃん。』


『そだね。ちょっとハラハラしたよ。』


そんな、たわいもない会話をしつつ、玄関

に向かった。


じんわりとお腹に鈍い痛みが近づいて来た

のがわかった。


『…ごめん、あたしちょっとお腹の調子わるいからトイレ行って来る。先帰っていいよ。』


痛たた…。


『雫ちゃん大丈夫?あたしついてよっか?』


心配そうにあたしの顔を覗き込む。


『大丈夫、いつものコトだから。』


…ただの便秘からくる下痢なのはわかって

る。

小さい時からこうだ。


しかも波があって痛みが治まってもまたや

って来るとうい厄介な腹痛だ。


『綾、気をつけて帰って。じゃあ。』


軽く手を振った。


内心早く帰れと言わんばかりに話を終わら

せ送り出した。


あたしは玄関近くのトイレに向かった。
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