アイツとあたしと浮気と彼氏
『知り合いのハズなんだけど、オレ忘れ去られてる?』


えっと、誰だっけ、んー…


『…塾だっけ?』


ニコっと優しくその男子が微笑んだ。


『渡辺。渡辺敦史だけど、覚えてない?』


そうだった…。同じ塾の一人だ。


やたらと女子に囲まれてて、あたしとは縁

のない人だって思ってた人だ。


『あ、ゴメン。名前はド忘れした。』


『いいよ、確かにそんなに話しなかったしね。』


そーだよね。同じ中学じゃないし、塾の打

ち上げで世間話したくらいだったし。

でも、まさか同じ高校だったとは…。

何て返したらいいかわかんなくてとりあえ

ず笑ってみた。


そこで豊が口を挟んできた。

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