雨上がりの虹のむこうに
写真……そういえば、ここに来たときに持っていたあのウエディングドレスの女性がこの人なのかもしれない。
確か旦那様が危険な仕事をしていて、結婚を反対されていたとか。
「急にマッキンリーに行くって言い出して鉄ちゃんを誘うって言ってたから、この前話を聞きにきたの。そしたらまだ鉄ちゃんを誘ってなくて、呆れてたわ」
そこまで言って、にやりと笑った。
「なんだか勘違いしてたみたいだけど、あの熊のこと好きでしょ」
言い当てられて顔が熱くなる。
「かわいいわ~勘違いで嫉妬してたのね。あの熊がもっとしっかりしてたら、こんなことにならなかったのに」
びっくりしすぎて真っ赤になったまま、口をぱくぱくさせてしまう。
「あの熊にはさんざん困らせられたの。やっと弱みを見つけて嬉しいわ」
そう言ってまた魅力的な笑顔を見せた。誤解がとけたせいで、その笑顔はちっとも嫌な気がしなくて可愛らしかった。
「友達になってもらえる? 」