◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「お前、自分のが危ないってのに、俺の心配してんな。それに、あなたじゃなくて、ルークだって言ってんだろ」
「ルーク……」
「お前は?暁の姫ってのは名前じゃないだろ」
差し出された手に、私はそっと触れた。
『いいから、走れって!』
また………頭の中で声が………
それに、この手の感覚……どうして、懐かしいなんて、思うんだろ…
「雫……佐藤、雫…」
そうだ、私は佐藤 雫。
暁の姫なんて、良くわからないけど、ただの高校生だ。