◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~



「俺は、声に従っただけだ。お前といれば、その主に辿り着けるような気がしたからな」

「声………?」


声…………
それには、私にも心当たりがあった。



「私を見つけて」

「!!お前、どこでそれを………」



私の言葉に、ルークは珍しく驚きの声を上げた。


ルークと過ごした時間なんて出会ってからほんの少しだけど、この人は、ちょっとした事では動揺しない気がする。



なのに、こんなに感情を表すなんて………
ルークにとっては、大切な事なのかもしれない。



「私をここにつれてきたのは、たぶんあの子……」



『私を見つけて』、そう呼ぶ声に導かれて、私はこの世界に来たんだから。でも、あれが誰なのか、どこにいるのかも検討がつかない。



「連れてきた?お前はここで百年眠ってたんだ、目覚めたの、間違いだろ?」


「うーん………」



それなんだよね。
どういう事なんだろ、私がここで百年も眠ってたなんて…



分からない事だらけだ。
この世界の事も、暁の姫の事、そして………あの声の事も。



でも、ここは私のいた現実とは違う世界なんだったって事は分かる。



無意識に両手を握り締め、俯いていると、ポンッと頭に手が乗せられた。見上げると、そっぽを向いたまま、ルークが私の頭に手を乗せている。
















< 40 / 92 >

この作品をシェア

pagetop