ぎゅぎゅっと短編詰め放題




あたりはもう、薄暗い。

今日は3時間の学科を聞いて、2時間運転したから、もうこんな遅い時間帯だ。


あれから、一度も塚原さんが担当になったことはない。

友人に「咲都もとうとうNG出したか」と言われてしまったくらいだ。



「……」

私は煮え切らない思いだった。

大嫌いだったときは、嫌というくらい担当だったくせに。

やっと彼なりの優しさを知ることが出来たら一切の関わりを持てなくなるなんて。



塚原さん。あなた、本当に暇そうじゃないですか。

塚原さんの存在を知らない新米野郎ぐらいにしか指導してないから、かなり暇じゃないですか。

それじゃ、給料泥棒だって、わたし、友達に言いふらしちゃいますよ。



< 35 / 57 >

この作品をシェア

pagetop