腹黒教師の甘い策略



『ちょっと殴らせてくれないか。』


もうずいぶんと離れたあいつの後ろ姿を見て、言いかけたその言葉を慌てて飲み込んだ。


……気を抜くとダメだな。このイラつきを全部あいつにぶつけたくなる。


慌てて前を向き、次の教室に向かう。



そういえばどれぐらい付き合ってたんだ?
一年続いてたのか、何ヵ月かなのか。
どっちにしたって、


「ただ、あいつを俺しか見えないようにすればいいだけ。」


有沢の顔を思い浮かべ、また口元が緩んだ。






< 28 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop