カムフラージュの恋人
「・・・林?」
「・・・あ!二宮くん!」
「うわー。ひっさしぶりー」
「ホント。1年は会ってないよねー。元気?」
「ああ・・・林は確か、化粧品の販売の仕事してるんだよな?」
「うん。それがどうかした?」
「もしかしたら、林なら分かるかもしれない」


二宮大輔くんは、私と同い年。
ということは、雅彦とも同い年で、雅彦と私が子どもの頃習っていた空手の師範が、二宮くんのお父さんだったこともあって、私たち3人で、空手のレッスンをよく受けていた。
雅彦同様、二宮くんとは幼稚園から中学まで同じだったし、実はあいつより、二宮くんと同じクラスになった回数の方が、多かったりする。
でも、別の高校に通いだしてからは、特に会うこともなくて。
これも雅彦と同じだから、二宮くんとも幼なじみと言えるのかもしれないけど、あいつよりも交流度は少ないし、実家も離れてて、両親同士がすごく仲良くしてる、というわけでもない。
つまり二宮くんは、私の「幼なじみ的な友だち」、だと思う。

そんな二宮くんに久しぶりに会ったと思ったら、何か悩みがあるようで。何だろ。

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