カムフラージュの恋人
「そうなんだよ。さっきから必死こいて探してたんだが、どうしても分かんねー!って思ったときに、林とバッタリ会ったんだ。おまえ、化粧品の販売してるなら、何か分かるんじゃね?」と聞いてきた二宮くんの顔は必死で、懇願口調になっている。

今の二宮くんって、わらにもすがる思いで私に助けを求めてるんだろうなぁっていうのが、ひしひしと伝わってくる。
それだけその彼女さんに本気なんだろうなぁ。

とにかく、友の頼みじゃなくても、ここは恋する男(にのみやくん)に協力しなきゃあ、「林きよい」の名が廃(すた)る!
何より、メイク関係は私の得意分野じゃないの!

私は二宮くんにニンマリ微笑むと、「今から買いに行きましょ」と言った。


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