ジュリエットじゃ終わんない
「ぶっちゃけさー、
中学ん時は、苦手な系統だなーって思ってたんだけど…
ギャップ萌えってのー?
一途に野上追っかけてる姿が可愛くてさー」


「ぃぃぃイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ、ぶっちゃけ過ぎだから!豊田!!
ちょっと待って!ちょーっと落ち着いて!
なんでそんなアッサリ、ストレートなワケ!?
てかなに突然カミングアウト!?
ヤ、こんなトコでこっ、告るフツー!?
じゃなくてっ、あたしはさっ…」


「ハイハイ、深紅ちゃんが落ち着こーなー」


テンパりまくるあたしを、
優しい笑顔で頭ポンポン。そして…



「続きはさー、言わなくていーよ。

それ知ってて伝えたんだし。
たださー…

俺も居るから元気だせよーって事!
元気な深紅ちゃんが見たいからさー」


ニイッって、イタズラな笑顔が零れる。




嬉しかった。



言葉も、気持ちも、そんな優しさも、


全部が心に詰まって…



ジワジワと、


瞳から溢れてく。




それを隠すよーに俯いて、お弁当に箸を伸ばした。
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