ジュリエットじゃ終わんない
「…勝手だよなー。

この前までクールでカッコイイが、
今じゃ気取ってる勘違い男で…

シャイでカワイイも、
ガイジでキモいになってさー」


憤りの収まんないあたしに、なぜか追い討ち。と、思ったら…


「でもさー…
そんな状況でも1人を選ぶのは、
俺を深紅ちゃんとこに行かせる為だと思うしさー…

それって、嫌いかー?」



そー言われると、改めて…


残酷だと思ってた優しさが、

切なくなって…



思わず俯く。




「だからさー、
もう夏休み前だし、仲直りってのー?

とりあえず昼メシまた3人でって、誘ってみー?」




そーだね…



って、ええっ!?

豊田、あたしのコト好きだったよね!?



「え…
なんで応援してくれんの?」

パチクリした顔を向けると、


「あれ、忘れたー?
俺、元気な深紅ちゃんが見たいって言っただろー?」

ってまた、イタズラな笑顔。



豊田の優しさが、痛いくらい胸を掴む。
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