ジュリエットじゃ終わんない

そのうち…

あのヒトが来るのは2週間に1回になって。


少しして…

今のお父さんを紹介された。



お父さんは優しくて、あたしを可愛がってくれたから、すぐに仲良くなったけど…

それ以来、あのヒトと2人っきりで出掛けなくなった事が、当時は寂しかった。




いろんなコトをガマンして…

いっぱい寂しさガマンして…



友達が母親とスーパーで買い物してる。
そんな事ですら、羨ましくてたまんなかった。





「見て!
読書感想文、コンクールで入賞したよ!」

「そのくらい…
お母さんだって似たような賞取った事あるし」



なに張り合ってんの?

子供かよ。



だけどその頃のあたしは…

純粋に、あのヒトの気を引くのに必死だった。




酷い時は月イチしか来ない。



寂しくて…


寂しくて…




万引きした。
< 45 / 297 >

この作品をシェア

pagetop