もう、きっと君と恋は始まっていた



『知佳、歩きながら話すから』


そう言って、由樹君はユックリと歩き始めた。



奈々と崇人と待ち合わせてる場所は、私たちの高校からあるいて10分位のところにある、大きな池がある公園。


私と由樹君が待ち合わせたところは高校の最寄駅、最寄駅から高校までは10分位だから、合わせて20分位の距離。


今から20分後、つまり待ち合わせの公園に着く頃には、きっと私が聞きたかった答えを由樹君から聞き終わってるはず。


そうしたら、色々なモヤモヤが解消されて、きっと四人で楽しく過ごせる、よね…?





『まずは、奈々の気持ちから、かな』

由樹君はそう言って、口元だけ笑って、そして言葉を続ける。






『最初、俺たちが高校に入学した頃、四人はすぐに意気投合したじゃん?
 奈々が崇人に惹かれたのは、本当にすぐだったと思う。
 奈々は崇人を好きになった、でも崇人がその想いを避けたんだ』




……え?


奈々の想いを崇人が避けた…?




『あの頃、奈々からよく崇人のことで相談を受けてて、自然と奈々との時間が増えてったから、そのことを崇人が誤解したんだろうな、きっと。
 奈々は俺のことが好き、そして俺も奈々のことが好き、そう誤解した崇人は俺と奈々への想いに揺れて、結局、奈々の想いに気付かなかった、でも奈々は奈々なりに崇人に気持ちを伝えようとした、でも誤解をしたままの崇人は俺に気を遣って…奈々を遠ざけた』




……そう、だったんだ……。



私、三人にそんなことがあったなんて、全然知らなかった。

っていうか、気付きもしなかった。





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