もう、きっと君と恋は始まっていた

*8day 奈々の代わりに




奈々の想いを聞いた、その夜。


奈々の決意を聞いた、その夜。


私は一睡も出来ず、ひたすら涙が溢れていた。



奈々もきっと、朝を迎えるのにドキドキしていて、なかなか寝付けないでいるかもしれない。


崇人は…きっと何も知らずに、それでも明日も奈々と一緒にいられることを幸せに思っているだろう。



由樹君は…






気がつけば、窓から温かな日差しが差し込んでくる。


そっと、カーテンを開け、私は朝一番の太陽の光を見つめる。


昨日と何も変わらない、そんな朝なのに、それでも、私の心は沈んでいく。





~♪~♪~♪~


携帯の着信が鳴り、そっと携帯を取る。

ディスプレイには“由樹くん”と表示されている。



出るか、出ないか…


ちょっとだけ迷ってしまう。






『………もしもし』


でも、私は由樹君の電話に出た。






『知佳、おはよー。
 今日、朝、ちょっといいかな?』




由樹君が私になんの用事だろう…?


この間言っていた、崇人の気持ち、なんやら…?


それとも、昨日奈々と会っていたことを知ってる由樹君、だからこそ私を心配しての…?







『……あ、うん………』




『良かった、じゃ、45分頃に駅で』


由樹君あそう言って、私の返事も聞かずに、通話を切ってしまった。





由樹君……なんか慌ててるのかな?

こんな一方的に通話を切ってしまうなんて…



由樹君の態度に、由樹君が私になんの用事なのか、気になって、気になって…




私は制服に腕を通し、朝食も摂らずに、そのまま家を出た。










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