大人の恋模様

はい…。

怠い身体がシーツの上で横たわる。


髪を撫でながら
「紗江?一人は…満喫したか?」

枕に顔を沈めて…。

「十分すぎるほどね」

ふっと笑って、私の頬を両手で
挟んだ。
「なぁ…。もう…そろそろ俺のことだけ
見ろよ。」
悔しかった。私の中には、佑磨しか居ないこと知られるのが…。
私の負け。


「見てる。いつも…。佑磨が気づかないだけ。ごめんなさい。ワガママばっかりで、本当は、さよならなんてしたくなかった…。意地はって馬鹿でしょ…。」
「俺は、分かれたつもりなかったけど」
「えっ?…。」

優しく私を見つめて

「なぁ…。結婚しないか?返事は?」

「あっ…。は…い。」

二人で行くはずだった。
高層ビルのおしゃれなレストラン。
佑磨の急な仕事でキャンセルに。

「あの時、言うはずだったのに…。お前が、勝手に秘書課の子と二股だって誤解して。俺から離れて行くから!バカ!」

「だって…。抱きしめてたじゃん!
それにkissしてたもん!」

「してねぇよ!そう見えただけだろ!
他に同僚がいたんだから!出来るわけねぇだろ!」
「……。なっ…」

紗江の頬から一雫の涙が。

佑磨は、私を愛してくれた。
強がって…別れた。あの時の姿は、
どう見ても…。誤解…はぁ〜。
私ってなんなんだろ…。

社内異動も佑磨の希望。
すれ違いを埋めるための策だったと
話してくれた。

温かな佑磨の胸に顔を埋め
幸せを感じた。



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