444~replay~
___力が抜けて放心状態のお母さんを、なんとかベッドに寝かすとリビングに戻る。

「あ……」

床には転がったお弁当箱。

もう一度それを洗うと、床に飛び散った水しぶきを拭き取る。

ソファの下にはたくさんのお酒。


こんなもの世の中からなくなればいいのに。


そうすればお母さんも、昔みたいに戻ってくれるのに。

「お父さん……」
そう思わずつぶやいて、あたしはソファに座り込んだ。

よどんだ空気がアルコールの匂いを含んでいる。


窓を開ける気力もない。

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