ヘタレな俺の恋
大学5年生

俺達は、シェアハウスを出た

結は、元気な男の子を産んだ

浩太郎と名づけた

補習とか大変だったみたいだけど

俺の母親が、時々東京に来て
浩太郎の世話をしてくれた

俺は、プロ野球の2軍にいる

浩太郎を見てたら、俺も成長しなきゃって
元気もらえる

結は、無事卒業した

医師免許取得した

浩太郎の七五三

結は、点字翻訳をしながら、図書館で働き出した

家では、いつもアイマスクをするようになった

浩太郎が5歳になる歳

結の目は、完全に見えなくなった

その日は、なんの変わりの無い朝で

「お化粧できなくなったなぁ」

のん気なこと言ってて

「僕がしてあげる!」

浩太郎ものん気で、ほんと結の子だと思う

「パパの顔にしてください!」

「パパお化粧しないもん」

「……お願いします」「はぁーい」

浩太郎は、結をよく観察している

落書きレベルだけど、化粧が出来た

「どお?」「そのまま外にいくなよ」

「浩太郎、残念でしたねぇ」

「ううん、いいですよ!」

「また、お願いします!」「はい!」



浩太郎は、かなりしっかり者だ


高校の同窓会は、僕が連れて行くって…
ムリだって…止めたけど

結が、浩太郎と行きたいって…

俺の実家から、会場まで電車とバスがいる

それでも大きな遅刻なく間に合った

浩太郎は、クラスメイトの名前をあだ名だけど、全員、覚えていた

いつ教えたんだよ


数ヶ月前、結は余命宣告を受けた


浩太郎と結を見てたら、ついついしんみりしてしまう

のん気に佐山や恭とじゃれあって

笑っている


浩太郎は、何となくわかってる

結の様子見て、辛そうだと思ったら
すぐに椅子に連れて行く

俺なんてサッパリわかんねぇのに









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