パラサイト・ラブ
本編




私のお腹に回る手をほどき、温もりが充満するベッドから這い出した私は出勤の準備に取りかかる。


入念にメイクをほどこし髪を巻き、流行りの洋服に身を包めば笹本美蘭が出来上がるのだ。


そんな私とは反対にベッドの住人はまだ目を覚ましそうにない。


今日はバイトがあるのか、ないのか。
はたまた大学に行くのか、行かないのか。


私は彼のバイト先は知っているが、素性も大学名も知らない。


だって私と彼の関係は、恋人でもなく友達でもないパラサイトな関係だから。


彼は私の生活力に、私は彼の肉体に寄生して生きている。

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