ずっと隣で・・・
どのくらい歩いていただろう。
貸家ありと手書きの看板が目に入った。
弦もその看板に気付き、その家を見てみると
かなり古い平屋の一軒家だった。
垣根があって車は余裕で2台は入る。
使い様によってはちょっとした庭も作れそう。
しかし問題は家だ。
正直ぼろい。
いろんなところを修理しないと住めない感じだった。
でも私も弦もその場から離れようとはしなかった。

もし好きにいじってもいいのであれば、それはそれで
ありなんじゃないかって・・・思ったからだ。
それは弦も同じ思いだったようで
さっきの看板に電話番号が書いてある事を思い出し
「ねぇ・・・ちょっと話し聞いてみない?話しだけ・・・」
念を押すように言った。
「俺もそう思った。すげーぼろいけど、こうしたらどうかなとか
いろんなアイデアが出てきたんだ。とりあえず中を見せてもらわないといけないけどな」
そう言いながら看板に書いてある電話番号に電話をかけた。
電話に出たのはお爺さんみたいな声の人だった。
家を見て話を聞きたいと言ったら
明日なら大丈夫と言ってくれた。
私たちは明日会うことにしたのだった。

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