ずっと隣で・・・
そしてリビングに案内されると
弦のお父さんがテレビを見ていた。
「親父、俺の嫁さんになる人が来てるちゅうのにぼーっとテレビを見てるとか
信じられないんだけど」
呆れ顔で言う弦に対し弦のお父さんは表情をあまり変えず
「千鶴ちゃんなら文句なしだからさ。安心して待ってられたんだって。
千鶴ちゃんお久しぶりだね。」
「ご無沙汰しております。本日は・・・」
今日の訪問の意味を説明しようとしたら
「あ~~そんな肩っ苦しい挨拶はなしなし」
大事な部分を全部とっぱらっちゃった様な感じになった。
それからはちょっとした宴会(これは私の家と同じ)だった。
それでも挨拶しておかないとここに来た意味がなくなるので
弦と2人で結婚するこの報告と承諾を得た。


帰る際
私は弦のお母さんに呼ばれた。
「千鶴ちゃんが弦のお嫁さんになってくれて本当にうれしいの。
私もお父さんも千鶴ちゃんのこと気に入ってたし、だから別れたって
聞いた時ショックでね。
…でもよかった。本当に・・・・千鶴ちゃんありがとう。
弦を選んでくれて」
お母さんの顔は涙で潤んでいた。
「そ・・そんな私の方こそこんな我儘な私を選んでくれて感謝してます。
ありがとうございます。そしてよろしくおねがいします」
弦のお母さんはとてもうれしそうに私の手を握った。

この人たちと家族になれるんだと思うと私まで涙が出そうになった。
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