ずっと隣で・・・
それを知らされたのは帰国してから。
しかも江里子は泣き笑いをしながら話した。
「妊娠していたなんて私自身知らなくって・・・ごめんね・・・赤ちゃんだめだった」
そんな事後報告あるかよ。

『心配かけたくなかったから』
いつもそれだ。
じゃあ俺は江里子の心配をしちゃいけないのか。
お前にとって俺って何だよ。

お前を守らせてくれないのかよ。

悔しかった。
凄く悔しかった。
好きな女一人守れない自分に腹が立った。
悔しくてこのこの悔しさをどこにぶつけたらいいのかも
分からず気が付けば江里子にぶつけていた。

別れるつもりなんかなかった。
なかったのに・・・・

半年ぶりに見た江里子はあの時のままの江里子だった。
俺をみる時のその顔は・・・
悔しいくらいに優しい顔だ。

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