ずっと隣で・・・
「ちょっと今開けるからドアノブ触らないの!」
ドアノブの動きがピタリと止まった。
ゆっくりとドアを開けると
目尻を下げて今にもとびかかりそうな弦が立っていた。
私は右手ピースで左手検査薬。
「赤ちゃんできてるっぽい」
弦はただただ頷くばかりだ。
「明日・・・結婚式だよね。凄いタイミング」
「大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
「いや・・・わかった途端につわりがくる人とかいるって聞いたことあるし」
弦はうれしさと不安の混ざった様子だった。
「大丈夫!大丈夫だよ。とりあえず今日は早めに寝るね」
私は早々に風呂にはいると早めにベッドに入ったが
眠れる訳もなく妙に目が冴えてしまった。

そして今日・・・
披露宴の間はあまり食べることが出来ないからと
朝、しっかりご飯を食べていたのだが
ここで1回目の吐き気勃発!
TVドラマなどで
「ううっ」って口を押さえて洗面所に駆け込むシーンを見るが
正直そんなかわいらしいもんじゃなかった。
洗面所じゃない。これはトイレ級でしょ~~
ドラマの嘘つき!
涙目になりながらトイレに駆け込む私を弦は心配そうに見ていた。

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