ずっと隣で・・・
「マジ?!・・・あんたたちは絶対結婚するって・・・そう思っていたのに・・」
「わたしもね・・・そう思ってたよ。だけどやっぱり遠恋って難しいね。」
「篠原君は何て?」
「何にも・・・ただ英斗の部屋から英斗の名を呼ぶ女の人の声が聞こえてね。それで・・・
眠いから帰ってくれとも言われた。・・もうその時点でアウトだよね」
美鈴はあからさまに顔をしかめた。
「最低・・・」
「・・・だよね」
「千鶴」
「そのうち社内に広まるのかな?面倒臭い」
私は思いっきり背伸びをした。
これ以上話をすると弦の事ついつい喋っちゃいそうで・・・
なんとかうまい具合に話しを終わらせようと言葉を選んだ。
だが話しは終わらなかった。
「でもさ・・・あんまり落ち込んでるようには見えないんだけど何かあった?」
美鈴が首をかしげる。

さすが勘が鋭いだけある。
って感心してる場合じゃない。
弦の事だけはまだ知られたくない。

「本当は遠恋だけは避けたかったんだよね。遠恋ってほら難しいじゃない。
会いたい時に会えなかったり、話したくても話せなかったり
気がついたら寂しさを紛らわすように違う相手を求めてしまう・・
そういうイメージ強かったから・・・って実際そうなっちゃったよねアハハ」
「アハハって千鶴・・・」
「あまりにも絵に描いた様な破局っぷりになんか笑えてきちゃってさ・・・」
「でも・・・やっぱり篠原君の事私は許せない。何なのよ・・・あの男」
私のかわりに美鈴が怒ってくれてるのもなんだか変な感じがした。

・・・私は本当に英斗の事が好きだったのかな…

英斗の事を話していても、どこか弦の事が気になっている自分がいたから・・・
< 31 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop