ずっと隣で・・・
なんだか懐かしくなって
あの頃と同じように寝たふりをしてみた。

「弦・・・起きて」
「・・・・・」
「弦?」
「・・・・」
あれ?あの頃はこれでも起きなければ何らかのアクションを起こすのに

薄眼を開けるとなんだか様子が変だ・・
まさか・・帰るとか?

「お前・・・勝手に帰んなよ」

図星だったようで顔は少々強張っている様だった。
・・・わかりやすいやつ

「ちょ・・朝食の準備ができたから起こしに来ただけよ」
と言ったが俺にはわかったよ。

でももう少しそばにいてくれ・・・・

朝食の後も千鶴は凄く帰りたそうにしていた。

やっぱり元彼のほうがいいのか?
まさか仲直りとか?
不安がよぎる。

「・・・そんなに慌てて帰る必要あんの?」

「・・・じゃあ、弦はそんなに私を引き止める必要があるの?」
千鶴の表情は戸惑いが見え隠れしていた。
「あるよ!」

俺は感情丸出しで答えていた。

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