ずっと隣で・・・
「お前が友達だっていうから俺だってそう思う様にしていたさ。
だけど・・・俺は・・・自分に嘘はつけない。
千鶴と再会した時俺の気持ちは固まってた。もう離さないって・・・」
弦の唇が近づいてくる。
このまま唇を重ねることは簡単だけど
自分の気持ちを認めてしまうのが怖くて
簡単にそれを受け入れることが出来なかった。
私は弦の口を手で塞いだ。
弦は驚いた顔で私をみたが、その手は簡単に振りほどかれる。

「自分の気持ちに嘘つくなよ」

弦はふりほどいた手をしっかりと掴む。
その手を絶対に離さないと言いたげな瞳で私を見つめた
私は弦をただ見つめることしかできずにいた。
「4年前の俺は未熟でお前を受け止める余裕がなかった。
でも今は違う」
「・・・・」
こんなにも私のことを思ってくれているのがわかるのに
喉元まで言葉が出てきてるのに言えない。
弦のことが好きだって思っていても・・・
好きって言葉が今までにない重みを感じ口にだそうと思うと
思いとどまってしまう。
だが私の心の中を見抜くように弦の鋭い眼差しが突き刺さった。
「一人で勝手に気持ちごまかすなよ。お前、言ってることと
その顔がちぐはぐなんだよ」

片方の手が大切なもの触る様に私の頬をなでた。

その瞬間胸の奥をギュッと何かに掴まれるような感覚がして痛くなる。
まるで弦に
私の気持ちを引き出されてるようだった。
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