ずっと隣で・・・
はぁ~・・・・
何度目の溜息だろう。

弦に迷惑をかけたくない。
でもこの事を後で知ったらきっと怒るのもわかる。
でもすぐに飛んで来てくれる距離じゃないもん。
これが遠恋の痛いところ・・・

きっと今頃私のアパートには英斗がいるはず。
そして私の帰りを待っている・・・はず。

「ねぇ・・・・電話しなさいよ」
横で美鈴がイライラしながら私を見ている。
「やっぱ・・・しないとダメ?」
最後の悪あがきをしてみたが…即却下

わかったよと口をとがらせながら
電話をかけた。

「もしもし・・どうした?」
あ~~弦だ・・・
う~~普通に声が聞けてうれしいかも・・ってそんなこと言ってられない。
「ちょっと相談というか報告というか・・・」
私がごにょごにょ喋るので何かあったとわかった様だった。
「・・・また元彼のこと?」
あ~~私がわかりやすいのか、弦の勘がいいのか・・・
バレバレだ・・・
「実は・・・元彼が本社に戻って来たの。それで今日話があるから
私のアパートで待ってるって・・・」
怒られるのを覚悟で言ったが
「鍵かけて絶対出るなよ!」
心配してる弦の声にキュンとしてしまうが・・・
「・・・実は・・・その~・・・元彼から合鍵返してもらってなかった事を
すっかり忘れてしまってて・・・」
「・・・・バカかお前は・・・」
はいバカでーすって返す余裕などなく・・・
「ごめん・・・」
「で?今どこ・・」
「今日は友達の家にいる。」
弦のホッとする様な声が聞こえた。
するといきなり私のスマホを美鈴が取り上げた。
「美鈴?」
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