クールなヒーローに甘いお菓子を。
「別れちゃうのかな〜あそこ」
「えぇー?お似合いだったのにね」
好き勝手話す女生徒達。
「本当本当。だってほら…あの、藤堂さん?の一件があるし…………って、ヤバ…」
だけど、話してた女子のうちの1人が、私の存在に気付いて気まずそうに顔をしかめた。
私はそんなことに気付かないふりをして黙々とただ食べる。
「…ん?みんなどうかした?」
真希も、白咲君も、…朔も。
なんて言えばいいのかわからないって顔をして私を見る。
理由なんてわかってた。
けど、ごめん。私は気付かないふりをするよ。