クールなヒーローに甘いお菓子を。
「じゃあっ、千秋ちゃん!朔と仲良くね?」
「はい……って、え?」
ある程度話をした後、仁美さんはケロっとした顔でそう告げてきた。
え、待って。なんか、その言い方って…。
「私、仕事場に住み込みだからこの家は今朔しか住んでないのよ。旦那は単身赴任中だしね。だから、朔と仲良く住んで?物は自由に使っていいから!」
「…………」
早口な仁美さんの言葉を1つ1つ理解していく。
あぁ、なんとなく嫌な予感はしたんだ。
つまり、私はこれからこの男と2人で住むってことだよね。
「じゃあね!私仕事に戻らなきゃ!」
それだけを言い残した仁美さんは、唖然とする私達を置いて嵐のように去って行ってしまった。