クールなヒーローに甘いお菓子を。



あの言葉に、嘘はない。



ちあが望んでくれるなら、俺はちあの家族になりたいと本気で思っている。




「どうした?」

「…ん」



俺の背中に顔を埋めるちあ。


珍しい。彼女がこんなことしてくるなんて。




動かしていた手を止め、ゆっくりとちあに向き直る。




「ソファにでも座ろうか」



そう言って彼女の手を取り、俺たちはリビングのソファに腰掛けた。




座ってから、しばらくの沈黙。




「…私ね、」

「ん?」


しかしそれは、ちあが破ることになった。




「朔に何も話したことなかったなと思って」

「うん?」

「家族のこと」



繋いだ手に、僅かながら力が入ったのが分かった。



< 247 / 265 >

この作品をシェア

pagetop