クールなヒーローに甘いお菓子を。



「わ、本当だ、ギリギリセーフじゃん。危なかったー…。ありがと、朔」

「いーえ。焦げてたらちあの料理全否定されるところだったから助けられてよかったよ」

「…意地悪」




楽しそうに朔はクスッと笑う。




「俺がお茶淹れるから、ちあはそれ盛り付けて」

「うん」




ミトンをつけてオーブンから取り出したのは、綺麗に膨らんだカップケーキ。



プレーン、チョコ、紅茶、抹茶の4種類。





それぞれの色合いに気をつけてお皿に綺麗に並べると、私はそれをリビングのテーブルの上へと運んだ。




「え、美味しそう!」

「千秋ちゃんが作ったの?これ」



思いの外いい反応をしてくれた2人。




「うん。お菓子なら作れるから」

「補足すると、甘い物しか作れないから」



説明する私の後ろで、勝手に補足し出す朔。




クスッと可笑しそうに笑って、淹れたてのお茶をテーブルに並べた。



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