キミじゃなきゃダメなんだ
『応援するのも楽しいですよ。頑張るひとって、ステキじゃないですか』
「......!」
やっと意味がわかって、もう一度先輩を見る。
.....わ、私....?
先輩が頑張る理由、私?
「........ガン見しすぎ」
思わず先輩を凝視していた私は、ハッとする。
慌てて目をそらして「ごめんなさい」と謝ると、「別に良いけど」とさっきとは反対の言葉が出てきた。どっち。
「 が、ガン見していいんですか悪いんですか」
「君が見たければ見ていいけど僕はあんまり見られたくない」
結局どっちかわからない!
先輩の顔は、さっきより赤いし。
たぶんこれって口説かれてるんだよなとかなんて返せばいいんだろうとか、色んな感情と疑問が頭の中で回って混乱してくる。
そんな私を見かねたのか、先輩はちょっと大げさに咳払いして、「ごめん」と言った。
そしてやさしい手つきで、そっと私の頭を撫でた。