キミじゃなきゃダメなんだ
「....やっぱり僕は、君じゃなきゃダメだ」
ぼそりと、先輩が耳元で囁く。
ドキリとして、でもその声が心地よくて、私は目を閉じた。
抱きしめ返すこともできずに、そっと彼のTシャツの裾を掴む。
「....先輩」
「なに?」
「学校生活、楽しいですか?」
「...いきなり、なに」
「楽しいですか?」
「...楽しいよ。それなりに」
そっか。
それなら、もうなんでもいいや。
「よかった」
えへへと笑うと、先輩は眉を寄せて『何で?』という顔をする。