キミじゃなきゃダメなんだ


先輩は私を見つめて、ふ、と優しく笑った。



「....君が僕のことをちゃんと好きになってくれるまで、待つよ。君が心から僕を欲しいと思ったら、そのときに『友達』をやめればいい。....それまで、頑張らせてよ。友達として」



目を見開く私に、先輩はすごく嬉しそうな顔をした。


「たぶん、君が思ってるよりずっと、僕は君が好きだと思う。...今までこの顔も鬱陶しかったけど、君が気に入ってくれてるんなら、まあいいかって思ったほどだよ」


なんてことだ。

私はイケメンを理由に、先輩と友達になったつもりでいたけど。

それすらも納得されていたらしい。

これが愛の力ですか。

男も、恋をしたら盲目になるんですか。



顔を赤くして固まる私を、先輩がそっと抱き寄せる。

それだけで心臓が止まりそうになってるのに、さらにぎゅーっと抱きしめられた。ヒィ、死ぬ!!


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