I先輩
《lastlove》

1番の幸せ

 


今、わたしの目の前には、カズ先輩のお兄さんが立っています。



「あんたも懲りないね。
あんだけ言ったのに…」



腕を組んでわたしを見下ろすお兄さん。



「先輩に、会わせて下さい!」



玄関の前で叫ぶわたし。

かれこれもう1時間くらいこの状態だったりする…のに、向こうは全く折れる気がないみたい。



「嫌だ」

「なんでですかっ!?」

「決まってんだろ、あんたが嫌いだから。」



なんで?

わたし、お兄さんに何もしてないはずなのに…



「全く、どうやってたぶらかしたんだよ」



あれ…?

このセリフ、確かお母さんにも…



「俺のカズくんが他の女と付き合ってイチャこいてんの、黙って見てられるわけねーだろ!!」

「い、イチャこいてなんかっ…!!」



あ…れ……?

"俺の"カズくん?



「はへ?」

「あ?何変な声出してんだよ。
いーからとっとと帰れよブス」

「ブッ…!?」



そりゃあ元からそんなに良い顔じゃないって、自覚してたけど…でも……

初めて、言われた。

それも彼氏のお兄さんに


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