I先輩
 


「ひがんでたんだよ
ほんと、バカみたいあたし…」



切なく笑う梨乃ちゃんに、思わず涙腺がゆるんだ



「は?ちょっ…泣いてんの!?」

「だっ…て…」



涙が止まらない



「ちょっとやめてよ!?同情とか、うざいから」

「ごめん、ごめんね」

「なんであんたが謝んの!?あたしじゃん!」



梨乃ちゃんが困った顔をしてる

違う、違うんだよ梨乃ちゃん



「気づいてあげられなくてごめんね」



似てるなら

気づいてあげられてたら

もっと、早く、友達になれてたのに

梨乃ちゃんがこんなことしなくて済んだのに



「わたしはずっと友達だから」



わたしはいい人たちに囲まれたんだなぁって思った。



「ばか…泣きそうになんじゃん」

「ごめんね」

「だから謝んないでよ」



わたしたちは顔を見合わせて笑った。

目にはいっぱいの涙を溜めて


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