I先輩
 


「でも俺、優しいから言わないでおいてあげるー
そのかわり、二度と俺らの前現れんなよ?」

「くっ……!」



男の人たちは走って行ってしまった。

キレた時のカズ先輩の目は、ものすごくこわかった



「っいってー!!」

「ケンカ強くないくせに黙って殴られてんじゃねーよバカ」

「だってなんか殴られてんのに平気な顔してたらカッコイイじゃん?」



先輩、ほっぺ赤い



「あれ…?りのちゃん、ことりちゃん?」



カズ先輩はわたし達に気付くとニコッと笑った。



「えーなんでここいんの?つか、今の見られてた?うわ俺だっせー」

「先輩…」

「なんて顔してんの、大丈夫だって」



カズ先輩がわたしのクシャクシャと頭をなでた。



「あ、琴璃
こいつ保健室連れてってやって」



千彰先輩がカズ先輩の肩に手を置いて言った。



「俺と梨乃は待機」

「はーいっ」

「え?そんなんいーって大袈裟な「行きましょう!先輩!!」



遠慮する先輩を無理矢理保健室へ連れて行った。


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